「で、どんなものがあるのだね?」

 聞き返すと彼女は少しためらいがちに目を伏せる。

「あるなら出せ」

「返してくれる?」

 兄に言われてエプロンのポケットから1枚、取り出して見せた。

「……」

 2人は、その写真に顔を見合わせた。

「いつ……」

「それは俺も知りたい」

 どうやら風呂上がりの画像らしい、上半身裸の姿が映し出されている。

「っていうかお前、返してほしいってな」

「いいじゃない。格好いいんだから」

 しれっと応えた妹に頭を抱え、ベリルを一瞥した。

「君は出発の日まで部屋から出るな」

「そうさせてもらう」

 ある意味、娯楽の一つとして騒がれている部分もある事をランカーもベリルも理解している。

 しかし、これ以上は付き合っていられない。この騒ぎを無理矢理終わらせる事にした。