「……は?」

 目を丸くしてランカーを見やる。

「やっぱり自覚無かったな」

「どういう意味だ」

 眉をひそめながら気を取り直すように、ワインボトルからワインをグラスに注ぐ。

「君、自分が目立つ容姿だと自覚してないだろう」

「目立つかどうかは知らんが……」

 再びワインを傾ける。

 そんな彼に、「君のファンクラブが出来そうだ」と付け加えた。

 ブハッ!? 再び吹き出す。

「ゲホッゴホ……?」

 咳き込みつつ男を見やり、ぐいと口を乱暴に拭う。

「なんだそれは」

「もうちょっと注意しろよ。君のことはただの傭兵としかみんな知らないんだぞ」

「注意しろと言われてもだな」

「俺が言わない限り大丈夫だとは思っているが」

 ワインボトルに目をやる。