さして関心もされない国だが「外交」という名の一人旅が、17歳の儀式のように昔から受け継がれていた。

 さして関心もされない王族であるにもかかわらず、王女を守る人間をお后は厳正に選んでいる最中なのである。

「! この男性は……?」

 后は、メインで撮られている男の後ろにチラリと映っている人影に目を向けた。

「誰か! 誰かおらぬか」

「何かご用でございましょうか」

 声を張り上げると、侍従の1人がしずしずと近寄って訪ねる。

 整えられた襟がまぶしい老齢の男性だ。

「ランカーを呼んでちょうだい」

「かしこまりました」