「君の事は我々の世界では『公然の秘密』扱いだが、実際会ってみるまで本当に実在しているとは思えなかったよ」

「私だとて自身がそうでなければ信じないだろうね」

 不老不死など馬鹿げた存在だ……ベリルは言ってのけた。

「はは……」

 自分の事を「馬鹿げた存在」と言い放つ彼にランカーは苦笑いを返す。

 そう、ベリルは不老不死である──25歳の時に不死になり、彼は今もこうしてフリーの傭兵として存在し続けている。

「君のような存在のことを『ミッシング・ジェム』と、云うそうだが……今までにそういう存在には?」

「会ったことはある。何度かね」

「!」

 驚く男に彼は笑いながら付け加える。