「俺の親父と同じくらいか」

 そんな男を厳しい眼差しで見上げる。

「俺はなんでも屋だ、君のことを知っていたとしても不思議じゃないだろ」

「傭兵についてもなんでも屋だとは思わなかったよ」

 溜息混じりに発して足を組む。ランカーがその隣に腰掛けた。

「国を動かすには、きれい事だけじゃ済まないってことさ」

 肩をすくめたあと、青年の横顔を見つめる。

「君の名前が出たとき正直、后には『止めた方が良い』と言いかけたよ」

「何故、言わなかった」

「理由を訊かれたら応えられないからさ」

 ベリルは「それもそうか……」と、目を細めた。