「やあ。まだ起きていてくれたか」

 そう言ってランカーが入ってくる。投げ捨てられている服を見て、クスッと笑った。

「その年でも、そういう服を着るのは初めてかい?」

 男の言葉に青年は眉をひそめる。

「そんな怖い顔するなって。別に君をどうこうしようって気は無いから」

 上半身だけ起き上がった青年の前に立つ。

「今、いくつだい?」

「62だ」

 返ってきた答えに口笛を鳴らした。