「! ほう……傭兵のくせに、やるじゃないか」

 ランカーは口の端を吊り上げてその様子を眺める。

 元々、存在感のあるベリルに、そこにいた人間は釘付けになった。

 1曲が終わり、彼は再びテーブルへ──

「!」

 目の前にノエル王女がいて手を差し出している。

 相手は王女だ、断るに断れない。仕方なくノエル王女を連れてまたダンスホールに戻っていった。


 そんなこんなで宴も終わり、ベリルは疲れたように服を乱暴に脱ぎ捨てるとベッドに体を投げた。

「……こんなに疲れたのは久しぶりだ」

 深い溜息を漏らしてつぶやく。

 心身共に疲労が激しい。

 そのまま意識を無くしかけたとき、部屋のドアがノックされた。