お姫様のガーディアン

「……」

 このまま引き返したいものだが……青年はそんな衝動を必死に抑えた。

 そうして、開かれた扉から見えた景色に一瞬クラリとくる。

 ランカーはそんな彼の背中に手をあて中に促した。

 その笑顔には「早く入れ」という威圧感が漂う。

 何故、私がこんな処にいなくてはならん……青年は半ば苛ついて宴に参加した。運ばれるカクテルグラスを一つ手に取る。

 出来れば、思い切りブランデーを流し込みたい気分だ。

「!」

 ランカーが手招きしているようだ、しぶしぶ従う。

 そこには昼間、謁見した后と、隣には綺麗なドレスを上品にまとう少女に、凛とした青年。

 そして髭を蓄えた恰幅(かっぷく)の良い男性。