「何の話をしているのです?」

 少女が首をかしげてベリルたちの会話を見つめた。

「彼はベリルの馴染みの医者なんですよ」

 ダグラスが丁寧な口調で答える。

 マヒトとベリルは日本語で会話しているため、王女とアライアには何を話しているのか解らないのだ。

「モンブランを治療費として持って帰るようです」

 ダグラスは口の端を吊り上げた。

「まあ……」

 少女はそれを聞いて少し曇った表情を浮かべる。