突然の事態に密かにテンパる私。


「はい、じゃあ腰に麻酔打っていきましょう」


無情にも進む麻酔処置。

あれですか?
私が知らないだけで、手術ってこんな感じで進むんですか。

いいんだけどね。
ばぶーの産声が聞けちゃうわけだし。

むしろラッキーなんだけどもね。

それでも何となくモヤモヤとしたまま先生が腰に触れまして。


「少しズーンときますよー」


なんだ、ズーンって。


「はい、ズーーーン」


針が深く刺さっていく感覚と痛み。

だけど想像よりも痛くなくて、むしろそんな痛みより──


「もう一度、ズーーーン」


先生のズーーーンが気になって仕方ないですよ。


「はい、最後のズーーーーーン」


何ソレ、流行語大賞でも取る気ですか。

頭に残るんですけど!

麻酔科の先生のズーンマジックに気を取られ、頭の中でズーンを反芻していると麻酔が効いてるか確認開始。