階段を降りると、近くに何者かが座っていた。

竜平はそれに近づく。

…これは屍?

巨大な屍が黒焦げになり、床に倒れていた。

竜平は爪先で軽く蹴ってみる。

屍は動かない。死んでいるみたいだ。

「そいつなら死んでるぜ」
「ぎゃぁ!」

いきなり声を掛けられ、竜平は飛び上がってしまった。

「平山…さん?」
「ああ、どうやら逃げ切れたみたいだな」
「どうやって殺したんですか?」
「罠にはめたらまんまとかかりやがった」

平山が近くに落ちてるポリタンクと、電源コードを指差す。

「さてと、俺は上の奴を片付ける。おまえは早く入口から逃げな」
「平山さんも逃げましょうよ!」
「…俺は、ここに居なくちゃいけないんだ」

平山はそう言い残すと階段に向かって歩き出す。

「…頑張ってください」

竜平はそう言うと入り口から外に出る。