夜―― お母さん達が寝た後、あたしは思い出の詰まった家の中を歩いてた。 ねぇ……お母さん。 あたしね……お母さん達の事、愛してたよ? だけど……拒まれたらあたしは一緒には居られない。 だから選択したの。 家族と決別する事。 家族を嫌いになる事。 こうすれば……きっと幸せになれるって思ったから。 リビング、キッチン、和室、お風呂場、家族が寝てる寝室。 眠っている家族。 今あたしが言える言葉は 「幸せになって下さい」 だった。