―助けて……― カチャッー ドアの近くに有るインターホンが光ったかと思うと声が聞こえて来た。 「あんた、誰」 「…………」 声が出れば、答えて入れて貰おうとするけど―― 今のあたしには不可能だった。 ガチャン― ドアが開いた。 「こんな遅くに迷惑なんだけど」 時刻は既に、午前2時を回って居る。 あたしが家の前に着いたのは夜11時。 結局3時間、家に入れて貰えなかったんだ。 「入りな」 お母さんの許可が出てようやくあたしは家に入る事が出来た。