よく見ると、竜太の持っている剣は鉄の剣だった。着ている鎧も、鉄。


「拓馬。お前は、強い武器を装備すると強くなれる。だが、俺は違う。強い武器を装備しても、強くはならねぇんだ。なんでか、わかるか?」


「いや……」


「お前は、大魔法使いの一人、光魔法の拓馬だからだ」


「え!」


竜太の言葉に、驚く拓馬。


「俺って、大魔法使いなのか?」


「そうだ。しっかりしろよ。偉大なる大魔法使いのリーダーが、あの程度のモンスターに負けるなよ」


「え!しかも、リーダーって設定なの?」


「設定?」


お互い、言っている意味がいまいち理解できていない様子だ。


「なんだよ、設定って?」


とりあえず、竜太から質問する。


「いや、このゲームの事だよ」


「ゲーム?何の話だ?」


キョトンとする竜太。