キョロキョロと魔導師を探す拓馬。


気がつくと、魔導師は拓馬のすぐ前にいた。


手のひらをこちらに向けている。


「うわ!」


驚いているのもつかの間、魔導師からのすさまじい風圧に吹っ飛ばされる拓馬。


5メートル程飛ぶと、拓馬の体は地面に叩きつけられた。


「ハァ、ハァ……」


息が乱れる。やはり鎧は割れていないものの、じわじわとダメージを受けている。


フラフラと立ち上がった拓馬は、再び魔導師の姿が消えていることに気がつく。


「フー、フー……」


息を整える。そして拓馬はゆっくりと目を閉じ、魔導師の気配を感じようとした。


そのとき、背後にフワッと、微かに風を感じた。


「そこだ!」


風の方向に勢いよく剣を振る拓馬。そこには、魔導師が立っていた。


体が、横に真っ二つに切れる。だが、再び切った感触が無い。


「くっ!」


苛立ちを感じる拓馬。


突然、魔導師は横から現れ至近距離から拓馬の顔面に手をかざした。