記事があった場所は、引越し屋のバイトの記事に変わっていた。


「どういうことだよ……あ!」


急いで携帯電話を取り出し、着信履歴を開いた。


「え?」


着信履歴にも発信履歴にも、それらしき番号は無かった。


「やっぱり……夢だったのか?いや……でもそうだとしたら、この金は……」


急に怖くなってきた拓馬。


「わけわかんねぇよ……」


考えてもわからない拓馬は、とりあえずトイレに行こうと車を降り、牛丼屋に入っていった。







……しばらくすると、誰もいないはずの拓馬の車のドアが開いた。


人影が、拓馬の車から出てくる。


「……拓馬」


ルイはニヤッと微笑み呟くと、拓馬の車のドアをバタンと閉めて町へ向かって歩き出した。