拓馬は車内をキョロキョロと探した。そのとき後部座席の下に、５百万円程の札束があるのを見つけた。


「あ！」


慌てて取り出す拓馬。


「マジかよ、やった！……でも、これどう見ても１千万じゃねぇよな？どうなってんだよ……」


そのとき、札束があったところに一枚の紙切れが落ちているのに気づいた。


「なんだ、これ……」


拓馬はそれを手に取ると、開いた。


『拓馬。第一章クリア、おめでとうございます。しかし、物語は二章あります。この５百万は、遊びに使わないで次の戦いの資金にされた方が、身の為ではないかと。』



紙切れには、そう書いていた。


「は？ふざけんなよ！もう二度とやるか、こんなゲーム！あんな危険な目してクリアしたんだから、ちゃんと金よこせよ！」


拓馬は怒鳴り声を上げながら、求人広告をパラパラとめくって記事を探した。


「……え？」


しかし、広告から主人公募集の案内が消えていた。


「……なんで？確かに、ここに……」