「ああ、信じさせたからな。わざわざ手下まで殺してよ。まさか、アークデーモンが俺だと思わなかったろ?」


「……殺してやる」


歯をくいしばり、這い蹲った状態で言う拓馬。


「その状態で?」


再び、高笑いする竜太。


「そうだな……この状態では、ちょっとマズイな」


急にニヤッと微笑む拓馬。


「……あ?強がるな。お前は、もうじき死ぬ」


「これなら、どうだ?」


その言葉と同時に、拓馬はスッと立ち上がった。


剣を竜太に向かって構える拓馬。


「え?」


拓馬の、腹部の傷が消えている。


「どういう事だ?俺は確かに、お前の腹を貫いたぞ」


唖然とする竜太。


「……竜太。この世には、薬草が二つある」


「知っている。でも、ボーンに報告を受けた。拓馬は、薬草を一つ使い、もう一つは失ったって……」


「無くしたフリして、持ってたんだよ!こんなときの為にな!」