「聖なる扉……覚えてるか?」


「……」


「あの扉は、大魔法使い五人の最終魔法で作られた、封印の扉だ。あの中に、俺は封印された」


「……」


「だが、幸運なことに、記憶喪失のお前は、あっさりと扉を開け俺を封印から解いた。外の世界へ出した。その瞬間俺の魔力は元に戻った。中にいる頃は、ボーンを倒すのがやっとな程俺の魔力は弱っていた」


「……」


「お前には、聖なる扉を開けたところで死んでもらってもよかったんだが……俺を、封じ込めていた罰だ。最後の最後まで期待させて、親友に裏切られて悔しそうに死ぬ……それが、見たかった」


満足そうな笑みを浮かべる竜太。


「もう一つ、お前を生かす理由があった。それは、大魔法の剣だ。あれを持たれちゃ、さすがの俺も手こずるからな。石を受け取っておこうと思ったんだが……光の石が無けりゃ、用は無い」


「信じてたんだぞ、竜太……」