「どうする、ソルジャーが二体いるぞ」


拓馬が竜太に聞く。


「いや……よく、見ろ。あれは、ソルジャーの銅像だ」


「え?」


拓馬は目を凝らしてソルジャーを見た。


確かに、ピクリとも動かない。


銅像に、ソルジャーの色を塗っているものだった。扉の前に立つ二人。


「いよいよだな……」


「ああ……竜太。ここまで、ありがとう」


「こちらこそ。さぁ、行こう」


バタンと勢いよく扉を開けた拓馬。


その中は、薄暗かった。


辺りが、よく見えない。ゆっくりと中に入る拓馬と竜太。


部屋の真ん中に二人が来たとき、急に部屋の電気が付いた。


「!」


その光景に驚いた。


拓馬たちの両サイドには、数十体ものソルジャーが規則的に並んでいた。


足元には、赤い絨毯が敷かれている。


絨毯の先には、王の椅子のようなものがある。おそらく、アークデーモンの席だろう。


だが、アークデーモンの姿がない。


「竜太、気をつけろ」


ザン!


「……え?」