「バカ!もう、切り札がねぇんだぞ?見つかったら、終わりだ!一気に、城まで行く」


走りながら言う竜太。だんだんと、息が切れる。それでも、二人は走った。


「竜太、さっき、炎魔法使いだって言ったよな?」


「言ったが、なんだよ?」


走りながら話す拓馬と竜太。


「俺は、光魔法使いだ。俺も、光魔法を使えんのか?」


「使えねぇよ」


「え?」


「お前ら大魔法使いは、アークデーモンによって魔力は封印されちまったよ」


「……」


「石にな」


「え!」


「……わかるか、拓馬?俺の炎魔法なんてちっぽけに見えるくらいの魔力が、お前が受け取った石には詰まってんだ」


「マジかよ……」


「五個そろったら、全ての大魔法使いの魔力が宿った剣が生まれたんだよ」


「……」


再び拓馬は、光の石をボーンに投げてしまったことを後悔した。