草原に出た二人は、さらに北へ向かって歩きだした。


「竜太、ここからどれくらいなんだ?」


「ああ、もうすぐだ。1時間も歩けば、着くと思う」


「そうか」


そのとき、前方に気配を感じる。


すぐさま剣を構える二人。モンスターが現れた。


「え?」


拓馬は、そのモンスターの姿に拍子抜けした。


どう見ても、最初に出会った子猫だ。


「なんだよ、ザコじゃねぇか」


スッと剣を下ろす拓馬。


「バカ!さっさと片付けるぞ!」


何やら慌てている様子の竜太。


そのときだった。背後、左右からも気配がする。


「遅かったか!」


竜太が叫ぶと同時に、二人はいつの間にか十匹くらいの子猫に囲まれていた。


しかし、それほど恐怖しない拓馬。鉄装備でも倒せるような、子猫だ。何匹いようと……