拓馬は、買った石をボーンに投げたことを思い出した。


「あの石か!」


「そう、今、お前が想像してる、その石だよ。出してくれ」


「出してくれって……ボーンに投げて、使っちまったけど」


「何だと!」


急に竜太の表情が変わり、再び怒鳴り声を上げる。


「怒んなよ、知らなかったんだよ、そんな大事な石だって!」


「その石……どうなった?今、持ってないのか?」


「割れて、なくなっちまった」


「マジかよ……」


絶望の表情をする竜太。


「なんだよ、また買えばいいじゃねぇか」


笑って、竜太の肩をポンポンと叩く拓馬。


「バカ!あれは1個しか存在しねぇんだよ!」


「え……」


「どうすんだよ……もう、大魔法の剣は手に入らねぇぞ……」


頭を抱え、蹲る竜太。