それを防御せず肩に受けると、拓馬は剣を下から上へと振り上げた。


剣は戦士の股間から顔面へ切り裂いたが、まだ倒れない。


再び、戦士からの攻撃。剣は拓馬の腹部を捕らえた。


しかし気にせず、拓馬は振り上げた剣を両手で持ち、勢いよく振り下ろす。


再び顔面から股間を切り裂くと、戦士は消え５０００円が落ちた。それを拾うと、ポケットにしまう拓馬。


「フー……え？」


ため息と同時に、拓馬は自分の鎧を見た。


腹部に、少しヒビが入っていることに気づく。


「やべぇなぁ……攻撃を受け続ける事はできねぇな……」


拓馬は森を出ると、再び北を目指した。


おちおち、休んでいられない。いずれ、鎧が砕かれるだろう。


少し歩いていると、だんだん夜が明けてきた。


「フー、フー……」


一晩歩き続けていた拓馬の体は、限界に近づいていた。


ここ最近、寝てもいない。それでも、モンスターは容赦なく現れる。再び前方に、戦士が現れた。


「くっ！」


剣を構える拓馬。よく見ると、戦士の様子がさっきと違う。両手に、剣を持っている。二刀流だ。


突然、切りかかってくる戦士。