その瞳は、前にも感じたが...どこかで見たことがある気がした。
どこだっただろうか。
ボーっと考えていると、
「俺さ....お前の事、知ってんだ。」
「....え。」
彼の口から出た言葉は、私をビックリさせるものだった。
私を...知ってる?
そんなはずない。
だって、私はあの中学から来る人がいない高校を選んだはずなのに。
どうして...。
「...まさか。」
「そのまさか。俺、あんたと一緒の中学ね...だから....。」
彼は暗い顔をした。
「秋野の事も知ってる。」
久しぶりに聞いた、彼の名前。
愛しかったはずの彼の名前。
「.....ッ!!」
勝手にでてくる涙。
私には、泣く資格なんて無いのに出てくる涙。
止まる事の無い涙。
「ご、ごめん...なさい。すぐ、止めるから。」
「いいよ...止めなくて。」
そっと、私の手をとった平川君の顔はーー。