耳元で囁いて






山中君が生きていたのはホントに良かった。
死んでしまったら、私は謝れないし、償うことができないから。


けど、南は死んでしまった。
私のせいだ、
絶対に。


それを聞いた時、泣き叫んだ。


思いかいしてみれば、私が愛してるって言ったのがいけなかったんだ。


言わなきゃ、南にあんな事させずにすんだのに。


私が...南をあんな風にしたんだ。


でも、嘘ではなかった。でも、本当でもなかった。


愛してる。
愛してない。
どちらも本当で、
どちらも嘘だった。



そんな曖昧な気持ちで、南と付き合ってた。


憎らしい。
憎らしい。
自分が....憎い。


南がどれだけ、私を愛してくれていたかなんて知らないくせして、南に薄っぺらい愛してるをあげた。



最低だ。
私...何で生きてるの?


責めて。
誰か私を...。
私は許されちゃいけない。


全て、全て私が悪いんだ。


憎い、
恨めしい、
自分自身が。