耳元で囁いて






あの後、私の叫び声を聞いた先生達が教室に来て救急車を呼んだ。



南は、先生たちに押さえられていた。


「離せっ!!何なんだよお前ら!!....俺は悪くない!!悪いのは、コイツだよ!!」


山中君を指差す南。


「なぁ?旭。そうだよな。」


そして私に助けを求めてきた。


けど....私は


「近寄らないでっ!!」


最低な、事を言った。


だけど、南が恐ろしかった。
笑いながら平気で人を殴った南が人とは思えなかった。



「こないでっ!!こないでっ!!」



私は震えながら、同じ事を何度も何度も叫び続けた。


「あ...さひ。」


「くるなっ!!人殺し!!」



私は...なんでこんな事を言ったんだろう。
全て、南が悪い訳じゃないのに。




もう、南は何も言ってこなかった。