耳元で囁いて





南の顔を見ると....あぁ、この人は私にあきれたんだなって分かる顔をしていた。


「愛してるって...言ったのも嘘か...。」



そう言った南は山中君の方を向き、



「お前のせいだ。」

理不尽な怒りを山中君にぶつけた。



「お前が....お前が旭に近づかなかったらっ!!ずっと、ずっとこうでいられたのに...お前が、旭を惑わすから...お前のせいだよ。」



狂ってる。


彼の瞳は、怒りを通り越した狂気だった。

「だから...お前は消えなきゃ。じゃなきゃ俺達は元には戻れない。」


ニヤッと不気味に笑った南。
次の瞬間、南は山中君につかみかかり思いきり殴った。



山中君はまた、床に倒れ込んだ。
けど、南はさっきみたいにやめずに殴り続ける。

山中君は最初は抵抗していたけど気を失ったのかもう、動かなかった。



私はただ、止めることもできず


「あぁ、あぁぁぁ!」



情けなく叫ぶだけだった。