耳元で囁いて





「旭はなぁっ!!俺のなんだよ!!俺のこと愛してんだよ!!...俺も愛してんだよ...だからずっと、一緒に居たいんだよ。なぁ、旭。」
怒鳴り散らすように叫ぶ南に


急に話を振られてビックリした。


「本当の事を言った方がいいよ?本当は...苦しいんでしょう?」


優しく言う山中君。


どちらの言葉も、私の心を揺らす。



だから、言葉に詰まった。
それが...南を心配させた。



今度は、私の方にゆっくりと歩いてくる南。

肩をつかみ、私の顔を見て
「....裏切るの?また。」


「....ち、ちが。」


「違うくないでしょ。...言葉を詰まらせるって事は何かあるって事だし。」



山中君の言葉に反応した南の手は私の肩を力強く握った。


「いたっ!!」


「....キス...そういやしてたよな。」


「....っ!?」


その声にゾッとした。