耳元で囁いて






でも、最悪の事態はこの後起きた。



私たちの後ろから、窓の割れる音がした。
その音で、我に返った私は山中君を突き飛ばした。


「な...何で。」


山中君を突き飛ばした後、後ろを向く。




そこには怒り狂った、南がいた。



「....あ、あぁ。」



南が恐くて私は、上手く言葉が話せなかった。


そんな私の前に山中君が立ち、南に一言言った。


「秋野、旭を俺にちょうだい。」


その言葉でより一層、南の顔が恐くなる。


やめて...山中君。
もう、何も言わないで。


祈るような願いだった。けど...
そんな願いも虚しく、叶わない。


「秋野は、旭を束縛しすぎだよ。....これじゃ、彼女が...。」



山中君の言葉の途中に鈍い音が静かな教室に響いた。