だけど

今日また桜汰君の優しさに触れて


好きなんだって自覚してしまった



銀星ごと包んでくれてるその大きな身体が

私の凍った心を溶かしてくれた



瑛二……


忘れたわけじゃないよ

でも、私もぉ自分の気持ちに嘘をつけないよ


ごめんなさい…


だけどこの気持ちは大切にしたいの


だから瑛二以外の人を好きになる私を許して欲しい


暗い室内で銀星を抱きながら映画を見ている桜汰君を見る


ふと桜汰君も私の方を向き視線がぶつかる


そして何も言わずにひじ掛けに置かれている私の右手を


そっと握った


…トクン−−


胸が高鳴り


今まで抑えていた思いが溢れ出してきた




好きだよ桜汰君


大好き…


桜汰君の手の温もりを感じながら


心で何度も呟いた



私達は手を握り合ったまま映画を見続けた




この先どんな未来があるかなんて分かんない


だけど桜汰君を好きな気持ちを大切にしたい




『それは恋だね』

そうだね千夏……

これは


この気持ちは恋だったよ


4年振りの感情をただただ噛み締めていた