そのまま車に乗り込み


キーを差し込んで発進させた


道は思ったより空いていて


信号待ち以外は止まることはなかった


けどやっぱ落ち着かなくて


早く着け


早く着けってブツブツと小さな声で呟いた



あと少しで着く


今10時35分
なんだ余裕じゃんか


焦って損したかな


−工事中の為右折できません−



ハッ!!マジか!!


ここ通らないと保育園着かねぇじゃん!!
もぉ少しで到着のはずだったのに工事が邪魔で道が通れない


あぁ!!っとじゃあ
グルッと回らねぇと…

曲がり角を通り過ぎて先の信号を右に曲がった



チラッと車の時計に目をやると

おいおい…
もぉ10時50分かよ!!!

ヤバい間に合うかな


刻々と時間が過ぎて行くなか
無言で車を走らせた




−−キキィ!!!


保育園の駐車場に着いて車を置く


−バタン!!!


荒々しく車のドアを閉めて全力疾走で走った


バラ組、バラ組


あった!!!


「ではお父様方はお子さんを抱いて輪に入って下さい」


保育園の先生の声が中から聞こえてきた


−ガラッ!!!


勢いよく扉を開けると


「あっ!!オウタ!!」


銀星…間に合った…


「桜汰君………」


俺を見つけて驚いてる君の瞳がなんだか照れ臭かった