「はい、もしもし、、」


『あっ!花穂ちゃん。おはよ』


電話の向こうから爽やか声が聞こえてきた


エッ、、桜汰君!!


本を見ながらだったから
待受を見ないまま電話に出てた


「どうしたの!!」


『うん、今日父親参観だなって思ってさ。銀星平気だった?』


「うん。桜汰君が話してくれたお陰で喜んでたよ。」


『そっか…今日なんか歌歌うんでしょ?銀星一生懸命電話で歌ってくれたよ。』


「あぁ!!やきいもの歌でしょ!!
今日11時親子で歌うんだよ」



銀星が毎日、電話口で歌ってたのを思い出す


『そっか、、俺も一緒に歌いたいな。』


「えっ……」


予想してなかった返事に驚いた


『でも今日は都内で夕方までアフレコなんだよなぁ〜。』


あっ、、そうだよね…


ちょっとだけ本気にしちゃったよ


『その代わり夕方、荘和んとこに飯食いに行こ?』


「うん、分かった、、って!!」


『何??都合悪い??』


都合は悪くないけど…


「なんかズルイ、、、、」


『えっ??』


だっていつも桜汰君のペースなんだもん


携帯を持ったまま黙ってしまう



『花穂ちゃん??』


「ううん…何でもない、銀星も喜ぶと思うから、、」



気付くと、あと10分で9時になるところだった