わ…たし、


今キスしてる??


何が起こってるのかサッパリ分からない


ただ分かるのは


唇に重なる暖かい感触だけ


桜汰君の息は、ほんの少しのお酒とミントの匂いがした


優しく触れるだけのキスはすぐに終わり


桜汰君は銀星ごと私を抱きしめる



「キスした理由…それは」


キスした…理由…


「俺が花穂ちゃんを好きだからだよ?」


「えっ…」


キスの感触でボーッとしてた私の思考回路は

桜汰君の一言で再起動した


「会った時から惹かれてた。俺…花穂ちゃんが好きだよ。」



桜汰君……



自分の心臓が早鐘を打つのが分かる


どうしよう


私、まだ自分の気持ちが整理出来ない



そんな気持ちを察してか


抱きしめていた腕を離して


桜汰君は微笑んだ


「今すぐ返事しなくていいからさっ、、、でも俺が花穂ちゃんに本気だって事だけ覚えておいてほしい。

だからもし、俺とって思ってくれたら…、、、その時は返事待ってるから、、、」



言葉にする彼の顔は


暗くてよくは分からないけど


少しだけ赤いような気がした