瑛二の葬儀が終わった


初めて見る瑛二の母親はどこと無く瑛二に似てた


私は瑛二の葬儀に妻ではなく、彼女として参列した


本当なら焼かれるまで毎日瑛二の側に居たかったけど

戸籍上赤の他人の私には

それすら許されなかった



それが悲しくて悔しかった



霊安室で泣いた日から私は涙を一つも流さなかった



だって未だに信じられない


瑛二が居ないなんて



きっと何日かしたらいつもの大好きな笑顔で


『花穂』って言ってくれる



そんな気がしてアパートで一人で待っていた




何日も何日も



ろくに物も食べないでただ瑛二が帰ってくるのを待つ私



そんな私を千夏が心配して毎日様子を見に来てくれた


そして



−−パシッ!!



何日かしたある日、千夏に頬を叩かれた


「花穂、しっかりして!!お腹に赤ちゃん居るんだよ!!瑛二の子だよ、その子花穂が守らなくちゃ誰が守るの!!」



瑛二の子……



赤ちゃん…


私は馬鹿だから銀星がお腹に居ることすら忘れてて



自分が辛いからこのまま死んでもいいって思ってた


千夏を見ると

真っ赤な目をして泣きながら私を見てた