お互い見つめ合ったままでいると



後ろから『花穂ぉ!!』って声がした



振り向くと、千夏が小走りで近付いて来てた


あっ、、忘れてた千夏の事!



「あの、、友達がッ……」


「友達??」


慌てて桜汰君と別れようとしたけど、遅く



千夏の視界に桜汰君が入った

「ん????」



だけどすぐには分からなかったみたいで


数秒間、彼の顔を眺めてた

「あの、、あのね、千夏、、」



「あっ!!!タンケンレッド!!」



桜汰君が誰なのか分かって、大きな声で叫ぶ


「千夏、とにかく中で!!」


「でもッ!!」


「いいから、ごめん桜汰君また!!」



私は強引に千夏をアパートに連れて行こうと背中をグイグイ押した



「じゃあ明後日。花穂ちゃん。」


背中越しに桜汰君の声がする



振り向いて、走り去る彼に小さく手を振った……



桜汰君が見えなくなると


「かぁぁほぉぉ、、」


あっ……


千夏の低い声が聞こえてきた


声と同じで、顔も怖い……


「あの、、千夏…これはねッ」



そぉ言いかけたけど


「どぉゆう事よ!!花穂!!」



千夏の雄叫びがアパート中に響き渡った