森の奥‥‥‥

一人勇者は戦っていた

人々の幸せを守るために、彼は傷つき血を流しながらも悪を倒すために戦った



それが、神から与えられた使命だと疑わなかったから


自分の命など惜しくはない、そぉ思った−−−



やがて悪は勇者によって封印され、平和は訪れる



傷つき、力果てる勇者


彼は神の言葉を思い出す


『お前は強い心の持ち主です』



勇者に選ばれた理由


仰向けに倒れ、天を仰ぎ、晴れ渡る空をみた


人々の幸せを守り、それが使命だと思っていた

だが、、、戦いが終わり今思うこと‥‥それは


俺の幸せは守られたのだろうか?


戦いが終わり、みな平和を喜んだ

だけど、神からの使命を全うした自分は‥‥‥


愛する人などいない


守る家族もいない



俺が戦っていたことなど誰も知らない


何年も何年


孤独と戦い、弱音も吐けず


神から与えられた言葉だけを胸に、戦い続けた



そして、死を目前に今思うことは


俺も、家族が欲しかった


弱くてもいい、強大な力に立ち向かわずに、愛する誰かと平和な世の中が訪れますようにと祈りたかった‥‥‥


神よ、あなたは狡いです‥‥


みなの幸せのために、命を落としたとして悲しむ者がいない、孤児である俺を選んだのだから、、、、、、



だんだんと麻痺する痛み


精神が肉体から解放されようとしている


あぁ‥‥俺は死ぬのか‥‥


何も得られなかった自分の人生を悲しみ



勇者は目を閉じた‥‥‥