「銀星、お前偉いな〜!抱っこしてやるから来い♪」


「え‥‥‥うん‥‥///」


桜汰君が広げた手に躊躇いがちに飛び込んでいく


5歳になった銀星は、そいゆう行為が少し恥ずかしいと思うようになったのか、
お友達の前ではどんなに疲れていても抱っこをせがまなくなった


それでも家族だけのときは、言えば嬉しそうに駆け寄ってきてくれる


「ずりゅい〜リリも〜!!」


「待て待て!!お兄ちゃんが先!!」


桜汰君は凛々果が生まれてからも何も変わらない


いつも銀星を想ってくれて


保育園の事や、私が銀星の事で悩んでいると一緒に考えて答えを探してくれる





彼の心の広さや偉大さを改めて凄いと思う



自分の子でさえ痛ましい事件が起きる世の中


銀星の側に桜汰君が居てくれることを、成長の手助けをしてくれることを、感謝してもしきれないくらい有り難い事なんだと思う




「ねぇ!!本当遅れちゃうよ!!ほらッ、秘書の哲也さんが来ちゃったじゃない!」


「マジで!!銀星、凛々果!行ってきます!!」


「「いってらっしゃーい♪」」



桜汰君は木漏れ日が木々の間から光射す今日



スーツに着替えて、試写会が行われる会場に向かった