−−−数年後


大きな庭に家族の笑い声が響く



「銀星、凛々果(リリカ)、パパ呼んできて!」


「はーい♪リリ、パパのとこいこ!」


「あーい♪」


銀星は5歳になり凛々果は1歳になった



私達家族は今



かつて桜汰君が暮らしていた家に4人で住んでる



愛俚沙さんはあの後、一命は取り留めたものの
下半身麻痺となり車椅子生活になった


当時は事務所の副社長が刺されたとワイドショーが騒ぎ、愛俚沙さんの今までしてきた事が、ニュースで流れたりもして


毎日、家に押しかけるマスコミや悪戯電話、酷いことの書かれた貼紙………
愛俚沙さんのしたことは間違っていたとはいえ、かなり辛い立場に置かれていた


そんな彼女を献身的に支えたのは

お父さんだった




二人は今リハビリもかねて、海外で静かに暮らしてる



たまに送られてくる手紙には


愛俚沙さんの穏やかな笑顔が写っていた



茜さんは情状酌量になり執行猶予つきの判決が下り



実家の田舎に帰って行った




彼女が今どうしてるかは分からないけど、幸せであってほしいと思う………


「ママぁ、パパつれてきたよ−!」


「ちれてきた−−!」


携帯電話を片手に持った、愛しい人が笑顔を向ける



「今日は外で昼飯かぁ♪」


「うん、天気がいいから遠足気分でお弁当作ったよ♪」


ヒョイッとお弁当の中のウィンナーをつまんだ


「こらッ、子供が真似するでしょ!!」


「ふぁ〜い♪銀星、凛々果、手洗いに行こ♪」


「「はーーい!!」」


桜汰君はお父さんの跡を継いで


芸能事務所の社長になった