「花穂ちゃん‥‥」


瞳を開けると、桜汰君の笑顔が目の前にあって


私もつられるように微笑んだ


「きっと、お母さん喜んでくれてるよ。」



「ありがとう花穂ちゃん、、」



夕日に反射する貴方の髪の毛は


ほんの少し焼けていて


それがまた綺麗で



見とれてしまう



離れていた二つの影が重なって



私は貴方の腕の中ですっぽりとおさまった


「結婚しよう‥‥‥」


「桜汰君、、、」


大好きな貴方の鼓動がいつもより少しだけ速くて


緊張してる?


心の中で質問してみる


「あぁ〜!!俺かなり今焦ってる!」


まるで私の心の呟きが分かるかのように答える貴方


私は



そんな貴方が


大好きです


「ウッ‥‥‥ヒック‥‥‥」



「花、、、穂ちゃん?」


咳を切ったように溢れ出す涙たち


この前までずっと、一人だと思ってた



サンタをなくしたトナカイは泣くことさえも忘れたまま


ただひたすらソリを漕ぐだけなんだと諦めていた