銀星の声がする
「ママっ!!オウタ!!」
お父さんは愛俚沙さんと共に救急車に乗り込み
私達は警察に詳しい事情を聞かれていたところに
銀星と荘和君が到着した
「銀星!?」
私に駆け寄る銀星をギュッと抱きしめた
「ママぁ………」
「ごめんね………」
顔を埋めて泣きじゃくる銀星の頭を何度も撫でた
「銀星、、、」
「パパァ………」
警察への説明を終えた桜汰君が私に抱かれた銀星の顔を覗き込む
「ママもお腹の赤ちゃんもみんな元気だから、もぉ大丈夫だからな」
「オウ………パパ!!」
私ごと桜汰君の大きな身体がスッポリと包み込んだ
「ねぇ、桜汰君、銀星がパパって…………」
「あぁ、今日初めて呼んでくれたんだ。」
銀星が桜汰君をパパと呼ぶ
それだけで
私達の絆がまたひとつ強い物になっていく気がした
「また泣く〜♪」
「ママ、、、?」
いつから私こんなに泣くようになったんだろう
でもね
これは
「嬉し涙だもん……」
不思議だね
悲しい涙は苦い味なのに
嬉し涙は甘い味なんだ
さっきまでの重苦しい空気が
銀星のお陰で少しだけ軽くなった


![禁断〜君と半分こ☆〜[短編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.777/img/book/genre13.png)