「愛俚沙…………」
握られた手を離すと、お父さんは愛俚沙さんを見据えた
「あ…………私はただ………」
愛俚沙さん−−
唇を噛んだまま下を向く
今まで、大きく感じた彼女のオーラはどこにもなくて
悪戯を親に見つかった子供のように小さく見えた
髪を弄る癖も見せないくらい
彼女は桜汰君のお父さんに怯えている
「お前は、ずっと僕を憎んでいたのか?」
「−−−−つッ……」
質問にも答えようとしない
「そんなに僕が憎いか?それなら僕に……僕自身に復讐すれば良かっただろ、、、」
「私は……………」
愛俚沙さんはようやく顔を上げてお父さんを見て
「私は、ずっと憎かった!だって貴方は私の母を使い捨てた!
貴方に捨てられてからの母がどんなに………私達がどんなに辛かったかなんて分からないでしょ!!!」
叫んだ−−−−


![禁断〜君と半分こ☆〜[短編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.773/img/book/genre13.png)