目を閉じると、温かい感触に包まれる


、トク、、トク、、



心臓のリズムだけで誰に抱かれてるのかすぐに分かる




「花穂ちゃん、ありがとう…」


「ううん…………」




抱きしめられている手に力がこもっていく


「俺、、、父さんが何を言っても花穂ちゃんと結婚するから。」




強く、大きな声が手術室中に響いた




「桜汰…………」



何も言わずに私の話しを聞いていた桜汰君のお父さんが



静かに、一歩、また一歩と近付いてきた



私達の前で立ち止まり


桜汰君を見下ろす





どうしよう………




桜汰君が殴られるんじゃないかと心配で



心臓の鼓動が早く脈打つ




「あの……………」


「すまなかった、桜汰………」



えっ………




「父さんッ−−」



桜汰君のお父さんはゆっくりと頭を下げた−−−