車をひたすら走らせる


「どこに行ったか分かるのか?」


荘和が運転しながら声を掛けてきた



「あぁ……愛俚沙が何人か堕胎の処置をさせた産婦人科だと思う…………」



今まで、愛俚沙のお気に入りと恋人になって


出来てしまった命を、消されてしまった女の子達を


何人も見てきた




愛俚沙は手術をする時、口止めも含めて、信用できる医者を決めていた



だから、きっと今もあそこにいる



あの



産婦人科に………






「ママ………だいじょうぶかな、、」


俺の隣で、小さな手を微かに震わせて心配している


「大丈夫、ママは無事だよ…」


震える手を握りしめて、銀星の頭を胸へ引き寄せた




絶対に、間に合う


愛俚沙の思い通りにはさせない





「荘和、急げるか?」


「おぅ、任せとけ!」



荘和はアクセルを踏み込んだ



車は、スピードを一気に上げて



走り続けた