銀星の前に大きな黒い影がゆらりと浮かんだ


「ハァ……ハァ………銀星に触るな………」



その影を見て、銀星の瞳から大粒の涙が溢れ出す


「オウタ………オウ………パパァぁあ…ヒック、、、、」




銀星が俺をパパと呼んだ瞬間


弾かれたように


窓から飛び出してた



「ごめん、銀星………怖かったよな……」


「パ……パ………」



銀星の小さな身体を力一杯抱きしめる




「ママが…………」


「うん、分かってる……」



俺は何をしてたんだ



俺には守らなくちゃいけないものがあったのに





絶対に守り抜くって誓ったのに



「銀星……俺、パパでいいのか、、、、」


俺が聞くと、俺の腕の中で、顔を上げて


「うん!!だって、オウタが、パパがだいしゅきなんだよ。」



ニッコリと笑った




「ありがとう……銀星がこんなに頑張ったのに、パパはヒーロー失格だよな……」



愛俚沙っていう敵を目の前に



俺の足はすくんで、小さな子供に戻ってた



彼女を怖がって、逆らえなかった小さな俺に…………