隣の部屋には誰も居なかった



ママ………


どこにいったの……



言い知れない不安が銀星を襲う



あの怖いお姉さんが、ママを…



どうしていいか分からなくて



泣きたい気持ちで一杯になってくる



「ママぁ………」

……♪♪♪〜


涙が頬を伝う直前にママの電話が音を鳴らし始めた


ママ……


急いで電話の出るマークを押して



「だれ……、、」


声を出した



『銀星?荘和だけど、』


「ソウ兄!!」


受話器の向こうから聞こえてきた荘和の声


『今さっきママから電話あって…』


花穂はさっき荘和に助けを求めようとして
ワンコールだけ電話を掛けていた



「ソウ兄ッ………」


『銀??』


「ママが………ママが………ヒック…」


『どうした!!』


銀星の様子がおかしい


不安を感じた荘和は


携帯を耳に当てたまま、店を飛び出した



「ママが……コワイ…ヒック、、おねえさんにつれて……エーン……」



怖いお姉さん



それって…………



『待ってろ、すぐ行く!!』



携帯を切って



車を走らせた