「桜汰君の過去を知って、胸が苦しくて、彼がどんなに辛かったかって思ったら、自分のことみたいに泣けてくるの………」


「うん…………」



小さい時に親が居なくて

淋しくて、苦しかったのは私も一緒………



だけど、手の届くところに、生きているのに、


お父さんに甘えられなかった彼の孤独は、



私以上のものだったのかもしれない………



それでも


大人の事情を分かろうと


小さな男の子だった彼は



作り笑いを覚えたんだ







「愛俚沙さんの事も、、、」



「花穂がいるのに、関係をもった………」


千夏の言葉に胸がチクンと音を立てた



「花穂はさ、どぉ思ってるの?」


私………



私は、、、、



「ショックじゃなかったと言えば嘘になる……」


だって


好きな人が


他の人と関係を結んだなんて



普通なら平気ではいられない



「でも、、、何か事情があったんだって信じたい……」




荘和君は、最後まで桜汰を信じてやってくれって言ってた



頭を何度も下げていた