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………


20××年、、、



「お父さん、今日も仕事なの?」


小学4年生の俺は


毎日同じ質問を父親にぶつけてた


「あぁ、、急な接待でな。次の休みには必ず何処かに行こう…」



答えは毎回一緒……


大手芸能プロダクションを継いだばかりの父は、毎日忙しそうだった



母は小さいときに亡くなっている俺にとって


父親は絶対だった気がする



だから



淋しい気持ちを隠して



次の休みなんかないのが分かっていても



「うん!楽しみにしてるね!」



笑顔で見送る事しか出来なかった



「あぁ、、ごめんな、桜汰。」



大きくて、温かい手の平が頭をクシャクシャっと撫でて


「行ってきます……」



…パタン、、、




出て行った




「お父さん、、、、」



静かな家に独り



孤独で



淋しくて



毎晩、一人で泣いていた




あの時


もし俺が、自分の溜め込んでいた気持ちを父親に話せていたら、


今とは違う現実があったのかもしれない………