唇が離れれば桜汰君は出ていってしまう



だけど



引き止めたいのに



身体が



心が動かなかった





ただ



お互いを想い合うように



キスを繰り返し




、、パタン…




彼は去って行った




雨が



桜汰君を連れ去って行った




「ウゥ…………フッ……」





分かんない



分かんないよ、、



愛俚沙さんは何………



一度に起こった出来事に



頭が追いつかない




「ママ………オウタは??」


「銀星ッ………」


隣の部屋から銀星が出てきて、顔を覗き込む



泣くのをやめなくちゃ



子供の前では泣けない



だけど



ポタ、ポタ………



「フッ…………エッグ……」



溢れる涙を抑えることができない



私の中で彼は



そのくらい


大切な存在になっていた




、、ピンポーン……



「花穂ちゃん!!銀坊!!」



荘、、和……君、、


チャイムが鳴り、外から荘和君の声が聞こえた





「開けるぞッ………」



鍵の掛かってないドアを開け


「荘和、、、君、、」


荘和君が駆け寄った


「桜汰は………」



「エッグ、、ヒック………荘和君、、分からないよ……分からなくて、、だから引き止められなかった、、、」



私は裏切られてたの??



ねぇ、桜汰君……


あんなに近くで笑ってたのに



それも嘘だったの………





雨が



吹き付ける




私はずっと



泣いていた