一人でケジメを付けるつもりだった


それなのに


結局、周りにいる人間を傷付けた



哲也さんはいつでも俺を守っていてくれたんだ



『桜汰、、、謝るのは俺だぞ。タレント管理も仕事のうち。
気づいてたんなら、もっと早く口に出すべきだった。
愛俚沙の怖さは分かってた筈なのにな……』


「そんな事ッ………」


『お前はちゃんと幸せになれ。愛俚沙に傷付いたお前が、立ち向かおうと考えるくらい大切なんだろ?
だったら踏ん張れ、、』


「はい…………」



15歳から逃げるように始めた役者


哲也さんはいつも見守ってくれてた




時には愛俚沙からも盾になってくれた



哲也さん、、


本当にごめん…………




携帯を切って



「大丈夫か?」


心配する荘和に別れを告げて



走り出した




……ザーザー、、



さっきまで小降りだった雨は



激しさをまし



俺の身体を打ち付ける




愛俚沙、、、



俺の過去



花穂ちゃんにも話してない暗い扉を





触れたくなくて逃げていた傷に




向き合う決意をして





ひたすら走った